ご臨終から葬儀後の手続きまで、ご葬儀の流れをご説明いたします。
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1 臨終を迎えたら
1. 臨終直後に行うこと
家族、親戚への死亡連絡を行います。特にこれから葬儀の相談にのってもらいたい方へ連絡をしましょう。故人の友人や勤務先などへは、葬儀日程が決まってから連絡をしましょう。
2. 葬儀社への連絡
・セレモニーテークつたえに連絡をしてください。24時間365日対応しております。
・病院で臨終を迎えた時は、係員が寝台車でお迎えに行き、ご自宅や式場など、ご希望の搬送先までお送り致します。(医師から死亡診断書を受け取ってください。)
・自宅などで臨終を迎えた時は、最初に主治医を呼び死亡の確認をして頂きます。(医師から死亡診断書または死体検案書を受け取ってください。)
3. 遺体を安置する
・遺体を安置する場所は、弔問客がお参りしやすい部屋(仏間など)がよいでしょう。
・家の構造上、可能であれば頭を北もしくは西にして、あお向けに寝かせます。
4. 枕飾り
・遺体の枕元などに、白木机を用意して香炉・燭台・四華・鈴などを飾ってお参りの用意をします。
・供え物としては、枕飯や枕団子、湯飲みやコップに入れた水を用意します。(宗教や宗旨により異なりますので、係員にご相談ください。)
・枕飾りのローソクと線香は、絶やさないようにするものと言われています。
5. 寺院への連絡
・不幸があった旨を連絡し、枕経などをお願いします。(初仏で菩提寺のない場合は、弊社にてご紹介も承ります。)
6. 枕経
・臨終後すぐに行う読経が「枕経」です。(これによって初めて故人が成仏するものとされています。)
・喪服を着る必要はありませんが、数珠を持ち地味な服装で臨みましょう。
・御布施などの用意をします。
7. ご本尊のお迎え
・親族の方2〜3名で、寺院にご本尊をお迎えに伺います。
・「お明かし料」などを用意してください。
・弊社で代行する場合もありますが、できるだけ親族が伺う方がよいでしょう。
8. 末期の水
・死の際あるいは死亡直後に、死者の口に捧げる水を「末期の水」と言います。
・今日では医師が臨終を告げてから配偶者、血縁の濃い順に行います。
9. 神棚封じ
・自宅に神棚がある場合は「神棚封じ」をします。
・神道では「死」をこの世で最も強い汚れとしているため、それが神棚に入らないようにするためです。
・扉のある神棚は、閉じて合わせ目に白紙を貼り忌明けまで閉じておきます。扉のない場合は、白紙でご神体を隠します。
10. 仏壇の打敷返し
・仏壇の打敷を裏返しにして、白い面を出します。
・忌明けまでそのままにします。
2 通夜・葬儀の打ち合わせ
1. 葬儀日程などの打ち合わせ
・葬儀日程を決定するには、御寺院などの都合と火葬場の状況を確認する必要があります。
・お共の人数、お斎(精進落とし)に出席されるかどうか、お迎えが必要かどうかの確認
・御布施や戒名または法名の相談
・古くから友引の出棺を避ける傾向にあります。
2. 葬儀の規模、予算、スケジュールなど
・故人やその家族の社会的なお付き合いや、年賀状・住所録などを参考にしましょう。
・前もって葬儀費用としての予算がある場合は、担当者にご相談ください。
3. 喪主の決定
・以前は「逆縁」といい、故人の妻や親は喪主にならないことが多かったのですが、最近では逆縁でも、故人と血縁の深い人が喪主になるようになってきました。
・喪主は遺族の代表として葬儀を執り行い、弔問客の挨拶を受ける人のことです。
4. 遺影写真の手配
・集合写真などからの作成や、前もってデータとしてご用意されているものからお作り致します。
背景や服装も変更できる場合がありますので、弊社担当者にご相談ください。
5. 会葬礼状、香典返し
・葬儀の規模を考慮して、ある程度数に余裕をもって準備しておいた方がよいでしょう。当社の商品では、余った場合に返品対応が可能ですのでご相談ください。
6. 祭壇
・式場の祭壇は使用する会場に合わせて、数種類ご用意しております。また、ご自宅で葬儀を行う場合の祭壇もご用意しておりますのでご相談ください。
7. 通夜振る舞いの手配
・お通夜終了後の通夜振る舞いに残られる方の人数を予測します。式終了後すぐに帰る方もいらっしゃいますが、地域性や思いがけない方が来てくださる場合もありますので、少し余分に用意される方がよいでしょう。
8. お斎(精進落とし)の出席確認および配席
・お斎(精進落とし)に招待する方への連絡と出欠の確認をします。
・料理の金額や内容
・配席表の作成
9. 霊柩車と火葬場同行者の確認と配車
・火葬場で最後のお別れをして頂きます。そのまま拾骨のために残られる方がいらっしゃる場合は、自家用車等の配車が必要となります。
10. 喪服の準備
・弊社では貸衣裳や着物の着付けの手配を承っております。弊社担当者にご相談ください。
11. 死亡広告
・新潟日報など新聞社への手配を代行しております。弊社担当者にご相談ください。
12. 式場に宿泊される方
・遠方の方には宿泊の用意をしましょう。
・ホテルなどを用意するか、もし差支えないようであれば式場に宿泊する方もいらっしゃいます。
13. 死亡診断書・死亡届・火葬(埋葬)許可証
・自然死の場合には、死亡を確認したかかりつけの医師より「死亡診断書」が発行されます。しかし、変死や自殺などの場合には、警察医による検視が行われ、そのうえで「死体検案書」が発行されます。
・人が死亡したときには「死亡届」を提出しなければならないことが、戸籍法で義務づけられております。その死亡届の提出には、「死亡診断書」または「死体検案書」が必要となります。
・死亡届及び斎場利用許可申請書に必要事項を記入し、市役所または区役所に提出すると「火葬許可証」が交付されます。これを火葬場に提出すると、火葬終了日時を記入して返却されます。これが「埋葬許可証」としての効力を持つことになります。再発行はされません。埋葬許可証は納骨のときに必要となります。墓地の管理者はこの埋葬許可証を5年間保存する義務があります。
14. 御布施
・御寺院への謝礼は、儀式が進に従ってそのつどお渡しすることが多いです。
・金額や名目などで迷われる場合は、御寺院に尋ねても失礼ではありません。
15. 仏名
・仏名には「戒名」「法名」「法号」などといった言い方があります。宗派によりますが仏弟子になり、俗世を離れて出家した僧にのみ与えられるものです。本来は生きているうちに頂くものです。近年は寺院・社会への貢献度・信仰の深浅、仁徳などを住職が判断してつけるものとされています。
16. 礼参の準備
・菩提寺へお礼参りに行く人の確認
・生花やローソクの他必要なものは、弊社担当者にご相談ください。
17. 世話役の決定、役割分担
以前は近所の組単位などでお手伝いする役割や内容が決まっていましたが、最近では近所付き合いも希薄になっており、家族や親族・会社関係などで行うことも増えてきました。また弊社式場を使用する場合は、式場の係員が代行するものもありますので、担当者にご相談ください。
・受付係:弔問客の受付案内。香典、供花などの受付整理。
・会計係:香典帳の整理
・接待係・誘導係:参列者の誘導。御寺院などの送迎。通夜振る舞いやお斎の接待。
・炊事係:食器類の準備手配。飲み物や仕出しなどの手配。
3 納棺
1. 沐浴(湯灌)
・逆さ水(水に熱湯を注いだ微温湯)またはアルコールなどを用意します。
・着ていたものを脱がせて全身を拭きます。最近は病院などで「清拭(せいしき)」または「エンゼルケア」と呼ばれる処置を施すことが多いので、服を脱がせない場合が多いです。
2. 死化粧
・髪や爪をきれいにし、男性の場合は髭を剃ったり、女性や子供には化粧をする場合があります。頰が痩せこけているときは、含み綿をする場合があります。
3. 死装束
・白い経帷子を左前に着せ、手足には手甲・脚絆を付け、白足袋に草鞋を履かせ、首からは六文銭の入った頭陀袋を持たせます。浄土へ旅立つ旅姿の意味です。宗教や宗派によって変わる場合もあります。最近では、白衣の上に経帷子をかけるだけとか、あるいは生前好んだドレスやスーツ姿というのも見かけるようになりました。
4. 納棺の儀式
・納棺が終わるまでお鈴をゆっくり鳴らし続け、香を焚き続けます。
・遺族みんなで頭部・胴・脚などを支え、静かに納めるようにします。
・故人が生前愛用していたものなどを入れますが、副葬品については火葬の際に「爆発のおそれのあるもの」「燃えないもの」「遺骨を傷つけるおそれのあるもの」「遺骨に着色するおそれのあるもの」はご遠慮いただいております。
棺の上には、金襴などの「七条袈裟」という棺掛けを掛けておきます。
4 通夜儀礼(仏式の場合)
1. 受付の準備
・受付係の方は、開式1時間前には準備を済ませておきます。
・受付には空箱、輪ゴム、ペン、拝受盆などを用意します。
・香典返しの品物は、少し余裕をもって準備をします。特に参列者の人数が予想できない場合、返品ができる品物がよいでしょう。
2. 供花・供物の配置順の確認
・基本的に上座・下座はありませんが、祭壇に近い方が上位とされています。
3. 遺族席・親族席等の確認
・参列者の人数によって明確に分けない場合もあります。
・遺族席は喪主を先頭に、基本的に同居されていた方が座ります。親族席は故人と血の濃い順、または関係の深い順に座るのが基本です。
4. 弔問客の対応
・喪主及び遺族は、故人に代わって弔問を受けるのが務めとなります。
・通夜に多くの方が参列されることが多いので、可能な限り立礼にてお迎えをしましょう。
5. 通夜儀礼(仏式の場合)
・喪主、遺族、親族、参列者着席
・御寺院入場
・読経
・焼香
・法話
・御寺院退場
・弔辞、弔電
・喪主挨拶
・通夜振る舞い
・御寺院へのお礼、御布施
・お見送り
・通夜を終えて
5 葬儀から火葬まで
1. 葬儀(仏式の場合)
・喪主、遺族、親族、参列者着席
・御寺院入場
・読経
・焼香
・御寺院退場
・閉式
2. 最後のお別れ
・柩の蓋をあけて拝顔をします。お顔などの周りに生花などを飾りながらお別れをします。
新潟の風習として、柩の蓋を閉めるときの「釘打ち」は行いません。特に現在では、柩の蓋もすぐには外れない構造になっていて、実用的な意味もなくなっています。
3. 柩を霊柩車に納める
・一般に、霊柩車に搬入するまでの運搬は、故人と関係の深かった若い男性の手で行います。
4. 喪主挨拶
・会葬された方だけでなく、出棺のお見送り(野辺送り)に来られた方も合わせて、御礼のご挨拶を行います。
5. 出棺
・霊柩車の他、同行する車にご乗車頂き火葬場へ向かいます。野辺送りに来られた方には、ほどこし(野辺送り御礼品)をお渡しします。
6. 火葬
・火葬許可証を提出します。
7. 炉前の焼香
・最後のお別れ
8. 火葬時間
・炉に火が入ります。
・火葬には1時間半〜2時間ほどかかりますので、控室で待つ間に茶菓などをもてなす場合もあります。
(この場合事前に用意し、食後は必ずごみを持ち帰りましょう。)
9. 拾骨(骨上げ)
・拾骨は地域によって違いがありますが、足元から順に拾って最後に頭部の骨を骨箱に納める方法が一般的のようです。
・骨上げは「箸渡し」とも言い、「箸」と「橋」の音が共通なところから、故人をこの世からあの世へ、三途の川の渡しをしてあげるという思いから来ていると言われています。
10. 埋葬許可証を受け取る
・火葬場の職員より、火葬許可証に火葬日が記入されます。この火葬日の入ったものが「埋葬許可証」になります。
6 法要・お斎
1. お清めの塩
・死の穢れを清めるという意味で、胸や背中に塩を振ったり、踏み塩をしたりします。地方の慣習や宗教・宗派により使用しない場合があります。
2. 遺骨迎え
・火葬場から戻られたご遺骨をお迎えし祭壇にご安置します。
3. 還骨後の読経
・御寺院が多用の場合は、日を改めて後日行うこともあります。
4. お斎(精進落とし)
・還骨後の読経が済んだらお斎を振る舞います。地域によってはお骨が帰る前にお斎を始める場合が多くなっています。
・喪主の挨拶で始めますが、献杯などを行う地域もあります。
・葬儀でお世話になった御寺院をはじめ、受付係・会計係などの方々の労をねぎらうためのものなので、喪主や遺族が接待をします。
5. 礼参り
・本堂へお供えする生花や蝋燭などを持参します。
・御寺院から、持参するものを指示されることもあります。
・親戚が集まって伺うこともありますが、最近は喪主など遺族がお伺いをして、納骨や法事のことを相談されるようです。
7 連絡や挨拶
1. 連絡先のリストアップをしておく
(個人名や団体名など、重複することもあります。)
・死亡してすぐ連絡する方(一緒に葬儀の相談をしてほしい方)
・お斎についてもらいたい方
・通夜に参列して頂きたい方
・年賀欠礼でよい方
2. 通夜での挨拶のポイント
・通夜での謝辞は喪主が述べますが、参列して頂いたお礼や故人生前中の厚誼への感謝・故人の気持ちの代弁をし、最後に通夜振る舞いへのお誘いを述べるのが一般的です。喪主が挨拶できない状態であれば近親者の中で主だった方が代わって行いましょう。
3. 葬儀・告別式での挨拶のポイント
・葬儀が終了し、火葬場への出棺のとき、お見送りに来られた会葬者に対して、喪主またはこれに代わる親族の代表者がお礼の言葉を述べるのが会葬御礼です。
・内容:
①お見送りのお礼を述べる。
②故人の生前中のことに触れ、その厚情に対して、故人に代わってお礼を述べる。
③遺族に対しても、故人同様のご厚誼をお願いする。
4. お斎での挨拶のポイント
・通常、三十五日法要(宗派によっては開蓮忌法要)の後、お世話になった御寺院、親戚、知人などに対して、お礼の意味を含めた食事の席をご用意します。お斎が始まる前に、喪主または親族の代表者から挨拶をします。
・内容:
①葬儀ならびに三十五日法要がとどこおりなく終了したことを報告する。
②御寺院に対して感謝の意を述べる。
③香典・供花・供物などを頂いたお礼を述べる。
④故人を偲んでくつろいで頂くようすすめる。
8 葬儀後の仏事・作法
1. 香典帳の整理、供花・供物の記録
・頂いた香典を親戚・友人・会社関係などに分け、どなたからいくら頂いたかを記録しておきます。また、供花や供物についても同様にどなたから頂いたかを記録しておきます。これは将来頂いた方にご不幸があったときに、この度頂いたものと同じ内容もしくは同額のお返しをすることが一般的と言われています。
2. 香典返し
・昔は四十九日の満中陰の後に、挨拶状をつけて品物をお返しすることが一般的でしたが、最近は葬儀後一ヶ月以内にお返しすることが多いようです。お斎に参加されなかった方で高額のご香典を頂いた方へ、半額程度の品物をお返しするようです。香典を受け取ったという印とともに、忌明けを知らせるという意味も含みます。(地域によっては初七日を過ぎてからすぐお返しするところもあります。)
3. 忌明け
・忌中と呼ばれる期間は四十九日まで、喪中と呼ばれる期間は死後一年間(一周忌まで)と考えられています。
・香典返しの品物とともに、忌明けを知らせる御礼状を発送する場合があります。
4. 納骨の準備
・寺院、霊園などの墓に遺骨を納める際には、火葬の際にもらった「埋葬許可証」が必要です。納骨の時期は特に決まりがありませんが、新潟市内では四十九日法要に合わせて納骨することが多いようです。
5. 年賀欠礼の挨拶状
・十一月中旬(年賀状の発売時期)から十二月の上旬までに、年賀欠礼の挨拶状を出しましょう。全ての御宅に死亡通知が届いているとは限りませんので、いつ誰が亡くなって喪中なのかお知らせする必要があります。
6. 忌明け法要
・四十九日は満中陰とも呼ばれ、この日で忌が明けると言われますので、親族や故人の知人などを招いて法要を営みます。最近は親族も故人に近い方だけで行うことが多いようです。日時や会場などは御寺院と相談して決めなくてはいけません。お経の後にお斎を行うことも多いですが、お経だけで済ませることも増えてきました。
7. 初盆
・八月十三日から十六日まではお盆に当たります。全国的にお盆は、「あの世」から「この世」にご先祖が戻ってくる日として、亡き人を迎えるために提灯をつけるまたは送る風習があります。死亡した年に初めて迎えるお盆を「初盆」と呼んでいます。初盆には、仏壇・お墓を丁寧に掃除し、家族全員でお寺参りをした後にお墓参りをします。
8. 年忌法要
・四十九日の忌明け法要の後に、百ヵ日法要があり、その後は年忌法要になります。亡くなった日の翌年の同じ日が一周忌、その翌年の満二年目の同じ日が三回忌です。以後、七回忌・十三回忌・十七回忌・二十五回忌・三十三回忌・五十回忌となります。しかし完全に一般化しているわけではなく、二十三回忌や二十七回忌などに回忌法要を営むこともあります。この他、祥月命日(故人の命日)と月忌(月の命日)があります。規模や内容は遺族の考えによっていろいろな方法があります。
9. 仏壇・位牌・墓地・墓石
・仏壇とは本来、寺院内に仏像などを安置して、礼拝をし、供物を捧げたりする、周囲より一段高くなった場所のことです。近世にこの場所は「須弥壇(しゅみだん)」と呼ばれるようになります。代わりに各家に本尊や位牌、仏像等を安置するものを仏壇と呼ぶようになりました。仏壇は家の先祖を祀る場であり、精神的な結合の場であると言われます。しかし単に先祖供養のためのものではなく、三十三回忌または五十回忌で弔い上げをして先祖として合祀するまでの間は、死者個々の供養の場となります。近年、葬儀後の悲しみにある遺族が仏壇を通して死者と話することが、その悲しみを癒していくのに有効であると考えられています。
・葬儀で使用する白木の位牌は、「野位牌」といって野辺送りに用いる告別式用の仮の位牌です。四十九日法要までには塗りまたは唐木の「本位牌」をご用意して、仏壇に安置します。「本位牌」は浄土真宗の場合は使用しないことが多く、代わりに「法名軸」と呼ばれる軸を用意します。位牌は書き文字と彫り文字がありますが、法名軸は御寺院より筆で法名を書いて頂くものです。法名軸は仏壇の左右の内側にかけておくことが一般的です。
・墓地は経営形態により、①村落共有墓地 ②寺院墓地 ③公営墓地 ④民営墓地 の4つに分類されます。
①村落共有墓地
古くから村落に共有して保持していた墓地を認めたもので、新しく認められることは事実上ありません。
②寺院墓地
最初に寺院の檀家になるという契約があり、檀家であるので墓地の使用が認められるという関係にあるので、寺院の維持などの義務を負います。
③公営墓地
自治体の条例などで使用条件が定められ、使用権を取得するものです。
④民営墓地
管理者と使用者が対等な契約に基づいて使用権を取得するもので、財団法人や宗教法人などの公益法人が経営する墓地です。
・お墓の使用権は墓地の経営主体の所有物件で、利用者に使用権があり、墓石は利用者の所有物件となります。お墓を取得するまたはお墓を買うというのは、厳密に言うと「墓地を使用する権利を取得する」ということです。
・墓石の形態としては「和型」と言われる三層構造の墓石が江戸時代に生まれた形式が多いようです。
最近では「洋型」と言われる形態が加わり、オリジナルデザインの墓石も増えてきました。一般的には「御影石」といわれる花崗岩が多く使用されており、色については白でも黒でもどちらでもよいとされています。墓石に刻む文字は「南無阿弥陀仏」「倶会一処」(くえいっしょ)などの仏語やお題目が比較的多いようです。また「〇〇家之墓」や「先祖代々之墓」なども多いです。最近は洋型の墓石も増えてきているので、「愛」「夢」といった好きな文字を入れることもあります。
9 葬儀後の事務処理
1. 世帯主が亡くなられた場合(世帯主変更の手続きについて)
・世帯員が一人になった場合は、一人になった方が新しい世帯主になりますので、手続きの必要はありません。
・世帯員が二人以上いらっしゃる場合は、新たな世帯主をどなたにするのかについて「世帯主変更」の手続きが必要です。死亡届が提出された区役所から手続きのご案内が届くので、そこに記載されている手続き方法にしたがって手続きしてください。
2. 国民健康保険または後期高齢者医療制度に加入されていた方が亡くなられた場合
・亡くなられた方の保険証を区役所区民生活課まで返却してください。
・申請により、葬祭費として一律5万円が葬儀執行者(喪主)に支給されます。(新潟市の場合)
<持ち物>
亡くなられた方の保険証、申請者(喪主)の預金通帳、申請者(喪主)の印鑑(後期高齢者医療制度に加入されていた方のみ)
3. 介護保険に加入されていた方が亡くなられた場合
・亡くなられた方の介護保険証を区役所健康福祉課へ返却してください。
4. 年金の手続き
・厚生年金・国民年金を受給されていた方もしくは、厚生年金に加入中の方が亡くなられた場合、日本年金機構の下記いずれかにて手続きを行います。
日本年金機構 新潟東年金事務所(025-283-1013)
日本年金機構 新潟西年金事務所(025-225-3008)
国民年金に加入中の方が亡くなられた場合、新潟市の各区役所 区民生活課給付係にて手続きを行います。
・共済年金を受給されていた方、または加入中の方が亡くなられた場合、各共済組合(JR・JT・NTT
・農林共済は年金事務所)にて手続きを行います。
・恩給を受給されていた方が死亡した場合、総務省人事・恩給局 総務課(03-5253-5208)にて手続きを行います。
5. 身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方
・各種手帳の返還手続きと資格喪失の手続きが必要です。また同居遺族による未払い分の請求手続きが必要な場合があります。担当窓口は区役所健康福祉課 障害福祉係にて手続きを行います。
6. 医療費控除の手続き
・納税している本人とその扶養家族(配偶者や生計をひとつにしている親族)が、1年間に支払った医療費が対象です。
・自己負担額が合計で10万円を超えている場合、または年間所得が200万円以下の場合で、所得の5%以上を自己負担した場合に、200万円を限度に所得税から医療費の控除を受けることができます。
・申告するには、該当する医療費の領収書が必要です。この領収書は準確定申告書に添付または一緒に提出することになります。
7. 故人の所得税の確定申告(準確定申告)
・自営業者が亡くなった場合は、死亡年の1月1日から死亡日までの所得を計算したものと、消費税
に対する確定申告を法定相続人が行われなければなりません。これを準確定申告と言います。
・また、死亡年の1月1日から3月15日までに前年分の確定申告をしないで亡くなった場合も同様に行います。
・申告期限は死後4ヶ月以内です。
8. 名義変更など
・生命保険について
故人が生命保険や簡易保険に加入していた場合、死亡保険金は受取人が請求しなければなりません。
手続きは早めに死後1~2ヶ月以内を目安に、保険会社や郵便局に連絡します。
・住宅の火災保険や自動車保険など
・公共料金(電気・ガス・水道など)の自動引落の口座変更
・自動車(遺産相続後)の処理、運転免許証の警察署への返還
・携帯電話、各種会員証の解約手続きなど
9. 遺産相続について
・亡くなられた方の所有財産は「法定相続人」が相続をします。
・「法定相続人」とは民法で定められた、遺産を相続する資格のある人のことです。
・「法定相続人」にあたる人としては
①配偶者 常に相続人となり特別扱いになる
②故人の子(実子、養子の区別はありません) 仮に死亡していれば孫が第1順位
③故人の両親 仮に死亡していれば祖父母が第2順位
④故人の兄弟姉妹 仮に死亡していれば甥・姪が第3順位
・相続する財産にあたるものとして
①不動産
②預貯金
③有価証券
④死後に発生する死亡保険金
⑤退職金
⑥年金 など
注意する点として、相続する財産はプラスの財産だけでなく債務といったマイナスの財産も対象となります。そのため、相続には3つの選択肢が用意されています。
①財産の放棄
プラス、マイナスに関わらずすべての財産を放棄することです。
②限定承認
相続した財産の範囲内で、債務などの支払い義務を引き継ぐことです。債務を弁済した後に財産が残れば、これを相続することができます。
③単純承認
プラス、マイナスに関わらず全ての財産を相続する方法で、もっとも基本的な相続のスタイルです。
10. 故人の遺品整理
・亡くなられた方が生活していた住居や家具類、電化製品などの他に、趣味のものやアルバムなどの遺品を整理します。全て処分するのではなく、その方が生きた証として親戚や故人の友人などに形見分けをして差し上げることもあります。大きいものなど処分が難しいものは専門の業者をご紹介しておりますので、ご相談ください。
10 仏式以外の葬儀
神式・キリスト教式、またその他の宗教の葬儀にも対応致します。
世の中には様々な宗教による葬儀が行われています。一方で宗教に無関心な人や、決まった信仰を持たない人も多くおられます。
生前の信仰はいうまでもなく、死後の葬儀についても宗教的なものでなければならないことはありません。
どういった形態であっても、葬儀の準備は必要となりますので、葬儀社との事前の打ち合わせをお薦め致します。